「先輩ももう卒業か」
落ち込んだような彼の声が静かな図書館に響く。
「そうだね~」
受験用と書かれたノートに問題分をスラスラと書き写してく。
季節は冬。一ヶ月後には受験やら何やらが控えている。
「先輩はどこに行きたいの?」
ノートを覗き込みあたしを見つめる。
綺麗な瞳にはいつもドキドキしまくりだ。
「うーん、光高校とかでいいんだよね~」
光高校はうちの学区にあって、…まあ中学の斜め前にある。
「まじで!?」
相太は喜んだ表情をのぞかせる。
この顔好きだな…
なんて密かに思ったりして。
まあ、光高校にした理由は進学率もいいし、第一中学と近いから。
近くで彼のサッカーしてる姿をみていたいから。
「あれでしょ先輩」
「ん?」
「俺の近くに居ないと寂しくなっちゃう病気でしょ」
面白いとばかりの笑みを向けてきて顔が真っ赤になる。
「んなっ…//」
「顔真っ赤~ビンゴ~」
ニヤニヤと向けて来る表情に未だ抵抗がある。
素直になってわいけない気がする…
「そ、そうだけど何か!?」