顔をあげてくれない。

こっちを見てくれない。

木内君をそうさせてしまったのは紛れもなくあたしだ。

「嘘じゃないもんっ!」

「え…?」

「嘘なんかじゃない…もん」

ポタポタとほほを伝う涙。

「自分でちゃんと話さなきゃって思って」

やっと木内君がこっちを見てくれた。

「メールじゃ駄目だって。直接言ってくれた木内君に失礼だって」

「…そういう事かっ」

木内君は何もかも分かったかのような無気力の笑顔を見せた。

「全部言っていいよ」

「…うう…」

「俺が好きな花沢は楽しそうに窓の外見てる花沢だったから」


そんな台詞いわないで。
ぶわっと涙があふれてとまらないの。
私にはそんな言葉ちょっとも言えないんだよ。
木内君は何もかもわかってるんだよね…

ごめんなさい。ごめんなさい。