「へっ…?」
「困らせてごめんな」
「いや…」
「でもさ、俺さ」
「理恵先輩っ------」
木内君が何か言いかけた時に聞こえた。
私には鮮明に聞こえた。
「相太君…?」
後ろを振り返ってみたけど、聞こえたはずなのにいない。
「花沢?」
どこにいるの?相太君?相太君だよね?
「花沢っ!」
ぐっと腕を引っ張られはっとする。
私失礼だ。木内君が話そうと一生懸命してるのに何で…何で…。
「みつけたっ」
後ろからふってきた声。
それと同時にもう片方の手をとられた。
「相太君…っ‼」
目頭があつい。
どれだけ求めていたかわからない。
相太君に逢いたくて。
どうしても逢いたくて。