会場の奥へと進む。
「あ、理恵じゃん」
「おー花沢~」
クラスの男子たちに話しかけられて何だか安心した。
この賑やかな所で孤独感を感じていた。
「みんなあ…」
「どーしたあ?俺たちとパアっとやるかあ~?」
ハハハと笑いながら肩を組まれた。
ゾクゾクっとする。
何でだろう。相太君に触られても全然嫌じゃなかったのに、どれだけ好きになってたんだろう…
「やめろ」
低く、透き通った声。
いっつも「花沢」って優しく言ってくれる声が鮮明に聞こえた。
「おー蒼じゃん~」
「蒼一緒に遊ぶかあ~?」
木内君…
「…ざわ」
「?」
「花沢…」
「…何っ…?」
パシッ---。
「木内君…?」
手を掴み強引に木内君に引き寄せられる。