「七海っ…」

遠くから俺を呼ぶ声がして

俺の近くにボールがコロコロと転がってきた。


「そうちゃぁ~ん取ってぇ!」

「あ…うん」

パンッ----

「ありがとぉ!」

・・・・・っ。



「ラブラブだなぁ~」

「何がだよ…」

「いいなぁ~彼女」

そう七海は“彼女”。


去年の暮ぐらいから付き合っている。

「かわいいし、性格いいし、人懐っこいし・・・

 お前にはもったいないんだよ!」

バコッ

「つってぇ…」

思いっきりボールを蹴られ体に直撃し

そのうえコロコロと校舎の方側にボールが転がっていき

とりにいくはめになった。