「…ばかじゃん」
そういい楓夏はふっと気が抜けたようにポロッと笑みがこぼれた。
それに答えるように笑みを返すと楓夏がポンと背中をたたいてきた。
「あたしには相太の幸せは自分の幸せだって思ってるからさ」
ポツリとつぶやいた言葉はきっと先輩の事だろう。
“自分の幸せだ”そんな事言ってくれる奴楓夏ぐらいだと思う。
「俺もだよ。俺も。楓夏の幸せは俺の幸せ」
先輩とかかわるようになってから楓夏のありがたさにも気づけた。
大切だって思える人が増えた。
「キャンキャン‼」
コロがリードをひっぱりながら元来た道を戻ろうととまる。
「おい待てよコロ。」
前を向いて自分の体を後ろ向きに変えようと振りかえった瞬間…
「相太‼危ない‼」
え…?
ガシャンッッッッ---