相太君の方に目線を向ける凄くいろんな事を我慢している相太君の表情がわかった。
「無視…なんかしてない…よ」
無視なんかしてない。なんて下手くそな嘘。
何を必死に嘘をついているのだろう。
私はどうして…
「…また嘘つくんですか ゴホゴホッ」
「また…って」
「また！…です ゴホゴホッ 前みたいに」
「…っ…」
何も言い返せなくて、…っていうか言い返すどころか図星だ。
相太君は何もまちがったことを言っていない。
「…ごめん」
なぜだかこの台詞しか出てこない。
謝るな初めからやるな。…って。
そうわかってるんだけど、無視し続けなければ
また、相太君から抜け出せないことわかってるから。
「謝るなよ」
力強く発せられた言葉。
「先輩は…いつも必死に…
どうして嘘…つくんだよ…」
でもその言葉はどこか寂しげで。
