「倉科ー3階に資料持ってけー」
「えぇ…」
「さっきの授業さぼった罰だ」
「・・・・」
あいからわず理科の田中先生は人の扱いがあらい。
仕方なく教団の上にあるプリントの山をもって教室を出た。
「重てぇ…」
人通りが少ない階段を使おうと思い少し遠かったがほとんど人の通りがない階段を一段ずつ登った。
「彩?」
----トクン。
心臓がある声に反応した気がした。
「うんっ」
上の階から男の人と女の人の声が交互に聞こえてくる。
「いかないと思うよ」
トクン、トクン。
あまり音をたてないように静かに上る。
「そっか」
でも上るたびにプリントの擦れる音が鳴ってしまう。