「じゃあ…?」

「夏祭り」

「へ?」

「良ければ夏祭りの日7時に河原の橋のしたで待ってる」

「ちょっ、ちょっと…‼」

あたしが何かいう前に木内君はスタスタと階段を登り始めた。

その足音と同時に下へ降りる足音もした。

やだな…恥ずかしい話し聞かれちゃったな…

制服の内ポケットから生徒手帳を出した。

30日の日に丸がされていた。

夏祭りの日。


行くか行かないかを決めるのはあたし次第だ。

心が揺れる。

木内君を断る理由がなかったから。
何にもない。


ぢゃあ………