「そっか」

木内君の表情はわからないけど、空気的に何か言いたげなのはわかる。



カツカツカツ-----


階段を上がってくる足音が微かに聞こえた。

「花沢」

スッと木内君が立ち上がった。


「んっ…?」

後ろの小窓から風が微か流れかるく髪を揺らす。


「あのさ、俺と」

カツカツカツカツ----

足音がさっきより近くに聞こえる。

「付き合って」

「え…?」

足音が止まったと同時にあたしも止まった。

“付き合って”何て久しぶりに言われた。

木内君があたしに…

でも…

私は…?

「木内君あのさっ」

「今はいい」

「へっ?」

「今は返事いらねぇ」