「ちょっと唯、お弁当ちゃんと持ったの?」 お母さんにそう言われてアタシは履きかけていた靴を脱ぎ捨てて、リビングにへと駆けた。 「やばい、忘れてた〜」 「もー。あんたってば。入学式にも関わらず、慌ただしい人ねぇ。」 「…うるさいなぁ。いってきます!!」 アタシは少し口を膨らませながら、家を飛び出した。 今日から始まる高校生活。 楽しみすぎて仕方がない。