なんと非情な特性なのだ。

肝心なコトに及べなかっただけでなく、肝心なシーンも見逃してしまうとは。

録画していたはずのテレビが、なぜか熱湯風呂のシーンだけ録画されていなかった気分だ。

意味はわからない。

今の発言は自分でも意味がわからなかったが、つまりはこの女の生着替えが見たい。

そういうコトだ。


だが、これで全ての謎は解けた。

言い直そう。

謎は全て解けた。

なぜか。

それは、私がこの場所にこれた理由がわかったからだ。

おそらくは昨晩、意識を失った私は、誰かに命令され、一人で自分の部屋まで帰ってきた。

そういうコトなのだろう。


困ったコトに、冷静に分析しながらでも、勝手に体は進んでいく。

ついには玄関を出てしまった。

もはや私は、なぜかはわからないが、≪ビンゾ製薬株式会社≫に向かうしかないようだ。

それは間違いない。

じっちゃんの名にかけて。