カラオケに自分から誘っておいて
振るなんて我ながら最低だ。

『俺、別れたくねぇよ…』


翔太は目に涙を浮かべながら
あたしにそう訴えてくる。

「ごめん、無理だわ」


あたしはそう言うと
財布を持って部屋を出た。


ガンッ


何の音だろう。


ちらっと部屋の中をのぞくと
翔太が壁を殴っている
場面が見えた。