放課後の図書室は、向かいの校舎からの反射した西日が隙間から零れてはいってくるから少しだけオレンジ色に染まる。
 冬の今は日の入りが早くてすぐに暗くなってしまうけれど。


 この高校に入って、図書委員になって一年半。
 彼を、好きになって、一年半。

 一目惚れもあったけれど、先輩は本当に優しくていい人で、勉強も出来て気配り屋さんで。
 一緒にいるのが楽しかった。先輩が笑ってくれると、うさぎ年故なのかその場で飛び跳ねたくなる衝動に襲われたり、たまに抜けてるところを見ると可愛いなあと微笑ましかった。

 こういう感覚が初めてで、恋というものなのかはわからなかったけれど、友達に話しててやっぱり恋なんじゃないかと思えたし、何より卒業してさようならってのは正直寂しいな、会いたいなと思ってしまった。

 図書委員になったのだって、あわよくば彼の、今はもう卒業を控えた元図書委員長の近くにいたかったからだ。
 動機が不純だけど、本はよく借りてるから問題ない。整頓とかもちゃんとやるよ。