その姿がとても、綺麗だなんてそんな言葉だけでは治まらない。

 が、一瞬で嫌な感じがした俺はもう一度雑誌を顔にかぶせて寝たフリを決め込んだ。
 しばらくすると、本当にうとうとしてきたけれど、どうにかそれを追っ払う。アイツに気付かれたかも。

 不安になりつつも、そのままでいると少しはなれたところで走ってきた足音が途切れる。
 ゆっくりと近づいてくる足音に、びくびくしながら寝たフリを決め込んだ俺は意地でも目覚める気はない。
 じゃりりと、砂を蹴る音がする。