「純くー、おわっと!」


 視界には彼しか入っていなかったため、
 廊下に置いていた掃除用具に足を引っ掛けた事に気付いたのは、
 地面とお友達になって10秒後だった。


「大丈夫? 葎」


 彼は声のワリに心配していないようだった。

 何せ、彼は立っていた場所から振り返って声をかけただけだったのだから。

 しかも手には小説!!

 私をみろー!!!(発言的にやめて)