外に出たら、冷たい雨が待っていた。
頬も目も、びしょ濡れ。
頬に伝うのは、
雨? それとも・・・

「ねぇさん!どうしたんすか!!??」

巳鬼の声も、耳を通っただけで、
脳みそまでは届かなかった。

走って 走って 走って

やっと足がとまった場所は

『未来荘』

そこで初めて気づいた。
あたしの顔は雨じゃなくて、
涙でいっぱいだった。