石畳を車輪が回る音が遠ざかっていく。 角に灯火も消えるのを見送って、メアリーアンは踵を返して歩き出した。 一つ遅れてシェリーが追いかける。 「ごめんなさい、メアリーアン。私、我慢ができなくって。つい」 夜の通りに声は顰めながら、届かないことを恐れるように背伸びをしていた。 いつもよりもさらに足が速いのは、憤りの表れなのではないのだろうか。 「つい、って言っていつもフレディにも叱られるんだけど。ごめんなさい、心配かけちゃって。本当は」 「『わからないように戻るつもりだったんだけど』?」