しかし夜中、また来たのだ。痛み、呼吸困難。何も変わって無い。病院行きなと言ったら
「迷惑だよね、こんな俺」と。次の日母親に電話で伝えたら
「電車は絶対乗らないで」と必死。
「じゃぁ迎え来て」と言ったら仕事で無理。ムカツキ、言い合い。電車で行くと言ったが看護婦の母親がそこまで言うと怖くなり止めた。明日なら病院のタクシーが走ってるみたいなのでもぉ一泊させた。
次の日検査をし、電話が来た。
「胃ガンだって」
暗かった。治る可能性低いと。また、「もぉいいや」、と来たのだ。ロックを閉め
「今までありがとう、幸せだった」
と息苦しい声で。点滴を抜いたと言う。私は泣きながら
「死ぬまで一緒に居て下さい」
しかし聞いてくれなかった。ありがとうの繰り返し。息が乱れて来て苦しい声。辞めてと何回も言った。約三時間。電話が切れた。何度もかけ直したが出ない。涙が止まらず朝になった。