もぉ一人の助手仲間、あいちゃんに紙を渡された。
「佐藤さんが美香ちゃんにって」
佐藤さん。毎週来て居る中年の爬虫類っぽい男だ。紙にはメアドが書いてある。しかもそのメアドがサバクノライオン。少し引いた。いつも気持ち悪い笑顔の人だった。困った。次来た時はっきし断った。それからまた次の週。またあいちゃんに紙を渡してと頼んだみたいだ。いっぱい書いてあった。
「勝手な事してごめんなさい。 変な思いさせてごめんなさい。…ごめんなさい」
ごめんなさいがいっぱい書いてあった。しかも最後に
「P.Sあなたは本当に美しいです」
鳥肌がたった。きもい。なるべく避けるよぉにした。しばらくして来なくなった。それから一年後くらい、久々歯医者に来た。保険証を見たら住所が変わっていて少し遠くなった。受付の人が
「通うの大変でしょ?」
そしたら佐藤さんの口から出た言葉
「彼女がこの近くなんですよ」
と笑顔で。すごいアピールしたい感じの言い方だった。そんなん興味無いんですけど、と思い受付の人と目を合わせてしまった。それからも毎回勝手に彼女の話をしてくるらしい。