「なぁー姫子…。」
『何?拓斗…?』
「俺さ、姫子と行きたい所があんだよ。…一緒に行ってくれるか??」
『当たり前!!絶対行くっ!…何処?』
「××県のうー…。」
キキィー!!…ガッシャン…!!!!

音と共に宙に浮いた私の体。
嫌な音…嫌な予感…。
『た…くと…?』

何故…?何故、血が出ているの?
何故、寝ているの?
何故、起きないの?

ゆっくり拓斗へ近づく。
『拓…斗…?!』
『ねぇ、拓斗…!!』
横たわってぴくりとも動かない。
『拓斗っ!!拓斗!!…ねぇ、冗談でしょ…?』
なんで返事しないの?

…ー…。遠くで救急車のサイレンが聞こえる。
次第にサイレンの音が近くなって私の背後で止まる。
『…お願い…目を…開け…て…拓斗っ…!目を覚まして!!…。』

拓斗が救急車の中へ入れられて…。

その場面を見て私は、意識を飛ばした。