翌日の朝、
諒子がリビングからの話し声で目が覚めた。
ぼんやりしながら枕元の目覚まし時計を見ると時計はまだ5時半を指していた。
あまりの早さに
聞こえた話し声も気のせいだと思い諒子が再び眠りにつこうと布団に潜り込んだ時…
「そりゃ悪かったけど…」
ぼそぼそと言う父親の声が聞こえた。
父親の低い声が振動して伝わってくるのが分かった。
いつもの明るい父親とは違う声のトーンを不思議に思い
諒子がゆっくりと階段を降りてリビングに近づくと…
ドアのガラスになっている部分から
両親と要の姿が見えた。
「もうちょっとどうにかなんなかったのかよ」
いつもは7時過ぎないと起きてこない要が
両親に向かって言う。
両親は帰ってきたばかりなのか
仕事に行った時の服のまま3人して立っていた。
要の怒ったような真剣な顔に両親の罰の悪そうな表情…
深刻な話をしているのは話を聞いていなかった諒子にも分かった。
…何の話?
顔をしかめながらも息を潜めていると
要が再び口を開いた。
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