寡黙な雰囲気を持つ要には逆らいづらくて

言われた通り、諒子がポスンとベッドに腰を下ろした。



毎日のように掃除に入ってる部屋も要と2人だと違う部屋に見えてきて
諒子がぶんぶん首を振る。






違う…


これは

今まで兄妹がいなかったから緊張しちゃうだけなんだよ…




別に要くんにドキドキしてる訳じゃないし。


『お兄ちゃん』って慣れない関係に緊張してるだけ…





違う…





「指貸して」



いつの間にか絆創膏を持って近くまで来ていた要に諒子が慌てて指を出す。


結構スッパリ切れてしまった傷からはまだ血がにじみ出ていて

じんじんと痛んでいた。



諒子の隣に座った要が
血の止まらない傷口を見つめて小さく息を吐いて…



おもむろに諒子の指を口に入れた。




「…―――っ?!」



諒子が声にならない悲鳴を上げても気にすることなく要が諒子の指に舌を絡めて…



「ちょっ…

要くんっ…」


恥ずかしさと胸のドキドキがマックスに達した諒子が口を開いた。


諒子の声に要がゆっくりと諒子に視線を向ける。



そして

顔を赤くした諒子にふっと笑みをもらした。



「…ガキだな(笑)」




初めて見たような要の少し意地悪な表情に…


言い返そうとしたのに言葉が喉につまって…



諒子のドキドキが限界を超えた。




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