だから…
要の言葉が重かった。
重く重く…
心に沈んでいった。
『めちゃくちゃ大事にする。
その子のためならなんでもするよ』
正直、要が誰かをそんな風に愛したりする事を想像できなかったけど、
強く興味を持った。
一緒に暮らし始めて半年。
初めて要がどんな恋愛をしてきて
どんな恋愛感を持っているのか
初めて興味が湧いた。
「新しく出来た家族とはうまくいってる?」
放課後、寄り道した本屋で実姫が聞いた。
「あぁ、うん。
それなりに?」
諒子が雑誌を手に取りながら答えた。
実姫とは高校に入学してから知り合った。
それなのに、
自分とどこか似ている実姫とは
もうずっと前から友達だったような…
不思議な気分になる。
お互い普通の家族とは少し違った家庭で過ごしてきたからか、
なんとなく波長があった。
「それより、実姫こそ啓太くんとまだ付き合ってくの?」
「またその話?(笑)
…啓太もいいところあるもん」
実姫が雑誌に視線を落としながら言った言葉に
諒子が表情を歪める。
.
.