その盗人は私が貴方に見惚れている内に逃げていた様で。 「一(はじめ)!!!」 そういって、浅葱色の方が走ってきました。 「はぁはぁ、一、どうしたんだ? って、その女-」 「ああ、何でもない。平助、行くぞ。」 そう言うと、お2人は歩いて行かれました。 「--あのっ!!」 呼び止めると、一さんはこちらを向いて、 「どうした?頬を怪我しているだろう?行くぞ。」 そう言ってまた歩きだしました。