「ばいばい。ごめんね」
あたしのわがままなのかもしれない。
けどもう傷つかずにいたい。周りから疎まれたくない



教室に帰る気分にもなれず家に帰った。
母も父も働いているので一人きりだ。
自分の部屋のベッドに飛び込む。







気づけば八時だった。
蘭ちゃんから電話だ
「はい?」
「菜穂?大丈夫?」
「大丈夫も何も…疲れた」「あの後ね、湯川が皆に咲多を苛めたりしたら許さないって言ってたよ」
「聞いた」
「湯川からあんなに愛されて…めずらしーよ」
「あたしも何でか分かんない」
はっきり言ってあたしはいたって普通の外見。普通の頭。普通の運動神経。
特にこれと言った魅力はない。

「それにね湯川、菜穂の良いところ必死に皆に説明してたよ。」
「だから、皆仲良くした方が得だよって。」
「何それ。あたしが苛められっこみたいじゃん」
笑いながらあたしは心が確実に軽くなっていってるのを感じてた





ホントは嬉しかった。そんなに自分を庇ってくれて。だけど素直に認めるわけにはいかなかった。
不幸にしたくなかった