うちの学校の運動会は変な時期、六月にある。

その実行委員はあまり人気のある役職ではない、運動会まで放課後は毎日居残らされておまけに平日に仕事が終わらなければ土曜日に呼びつけられたりもするからだ。

「何弱気なこと言ってんの!湯川と付き合う様になったら女子からは反感どころじゃないんだからね?」
「付き合うって…話早いし!ありえない!!」
「えー?」

そんなこんなで運動会実行委員を決めるLHRになった。

「男子は湯川が良いと思いまーす!」
クラスの男子は全員賛成。女子もほぼ全員賛成。
「んだよ〜、めんどくせーんだよ!お前ら何かおごれよなー!?」
そう言いながら湯川くんは笑っていた。
その笑顔はやっぱりキラキラしていた
でもやっぱりどこか申し訳無さそうに。

「女子はー…」
手が物凄い勢いで挙がる
「え〜、やっぱ物凄いですね湯川人気は。(笑)じゃあジャンケンで…」
と司会のHR委員が言いかけたとき
「ちょっと待って。」
「え?」
「俺、一緒にやりたい人居るんだけど。指名しちゃだめ?」

教室がざわめく


胸が高鳴る。あたしじゃない。そんなの分かってる
ありえない


「咲多やんない?」