サラリと恐ろしい発言が漏れたが、キースには届かなかった。

 「それと、」

 立ち止まり振り返ったネコ耳男に、キースも立ち止まった。

 「はぃ?」
 
 「“道化の死屍”クラウンの名は茶神様につけていただいた名ですので、どうか本名でお呼び下さい」

 ニコリと向けられた笑顔にはどこか影があった。

 「本名…ですか」

 「あ、名乗っていませんでしたね。私、クライルド・リールと申します。どうぞ、クラウドとお呼びください」

 「あ…はい!」