牧は言い終えた後に我に返ったような顔をした。



「ごめん…」



そう小さく呟く牧に、
私は涙を堪えるので必死だった。



「そ、そうだよね。
私の言ったことなんかただの綺麗言だよ!

最低だね、私。

ごめんなさいっ!!」



そう言って私は駆け出した。

けどいきなりつまづいてまたもや転けてしまう。

足からひどく血が流れている。


私、カッコ悪。

靴まで染みていっている赤い血を手で軽く拭き取って、
また走りだす。