ほんの一瞬だったけれど、

その紙には“死ね”という文字が書いてあったのが見えた。



「まぁ、気にすることないよ。

誰かが間違えて牧の席に入れたんだよ」



慌ててフォローする。



「…」



しかし牧は黙ったままただゴミ箱のほうを見つめていた。



「ねぇ聞いたー??

牧って愛夏のこと断ったんだって!!

愛夏すっごい傷ついて泣いてたんだよぉ」


「うそぉーサイテー!!」



あえて牧に聞こえるように、

さっきの女子たちが大きな声で言う。