先生は一呼吸を置いて言った。

「…先生が原因なの」

私に何も言う隙を与えずに、先生の体はまた近づいて言葉を紡ぐ。

「羅々…」

先生の綺麗な指が、私のロングの髪をすくいとって。

「…先生、何もしてないと思うんだけどな」

「嫌いとか、そういうのじゃないですから…っ」

「じゃあなんで緊張してるの」

…っ

…だから

お願いだから。

これ以上核心を突かないで。

クルクル、クルクルと私の髪に、触る。

そこで先生は急に口元をあげて、あぁ…、と言った。

「…襲われるかも、とか考えてるの。」

クルクル、クルクルと

「ちが…っ「…羅々」

優しく名前を呼ばないで…

期待するって解ってて、やってる?

「…襲ってみてあげても良いけど。」

私の耳に囁かれた甘い言葉。

それは、

甘くて
優美で
ほろ苦い。

「…え」

”襲ってみてあげても良いけど”

な…っに言ってるの、この人…

「…ねぇ、何か言いなよ」

先生は、ニヤッと怪しげに微笑んで。


「…キス…してみる?」

…っ!

どんどん、どんどん近づいてくる、先生の顔。

先生の…唇


「…やっ」

私が、目の前にあった先生の胸を押すと。

「…っ」

先生は、いとも簡単に離れて行った。

先生は、勝ち誇った様に笑いながら一言。

「…冗談だよ。」

…っ

なにそれ…