あいつらと俺を隔てる物は、透明なガラスしかないはずなのに。

もっと大きな壁がある気がする。

教室の中に入って、忘れた物を取らなきゃならない。

あれがないと授業が進まない。

…どうしても入らなければならないのに。

脚が思う様に動かない。

何で。

何で、二人で、
そんなに仲良く。

思わずバインダーを持つ手に力が入る。

それでも意を決して、ドアに手をかけると。

「…っ」

誰かの手が俺の手の上に重なった。