ぼさぼさの男の瞳がふいに揺れると、絞り出すように声を発した。


「あの…僕にはこの写真を捨てることなんて…だっだから…」


ぼさぼさの男はうつむきがちに話していた顔をあげた。


「だっだから、便利屋さんが預かっててもらえませんか?」


依頼のときの電話で聞いていた。


この男が今の生活を脱したら、会いにいきたい人がいると───。