『嘘だ……詩穂……?』


そこには白い肌が赤い血で染まった
愛しい詩穂の姿があった。


嘘だ……
誰か嘘だと言ってくれ……。


ザワザワと集まってきた野次馬たちを押しのけ
詩穂のもとへ向かう。


そこには間違いなく詩穂の姿があった。


『詩穂っ!詩穂っ!!』


「ゴメン…ゴメンね……」


詩穂は小さく呟くと
口を閉じ、身体から力が抜けた。


それからもう、詩穂の身体が動く事は一生なかった。


詩穂の親御さんには
俺を庇って詩穂が死んだ事を説明して、心から謝った。


でも詩穂を失った悲しみは計り知れなくて……。