「じゃ、またね~凪~♪」


「またね」


女の子たちが去っていく。

と、同時に横からの盛大なため息。


「つっかれた~・・・」


さっきの声とはワントーンくらい違う低い声。


「ボクとか言っちゃって~きも~」


ぷぷ、と笑うと、凪が睨んできた。


「うっせー・・・オレのイメージは崩せねーンだよ。何て言うかさー・・・プライドが許せないんだよ、イメージを壊すな、的な?」


そんなくだらないプライドは捨ててしまえよ。


ボクからオレに変わる一人称と。

言葉づかい。

そう、もう気付いてると思うけど、かなりの“二重人格”

しかも、あたしの前だけ本性を出すと言うかんなり性質の悪い二重人格なのだ。


「王子様は大変だね~」


うちの学園の王子・凪。

優しい性格と甘い笑顔でほぼ学園の女の子を魅了してます。

あたしは例外ですけどねー。


「まーな。お前と違ってオレはモテるしな~。お前と違って」


わざと同じ言葉を続ける性格悪男。

一回あの世に連れて行きたいわ~こいつ。


「そんなことより、今日の晩飯は?」


と、そのままあたしに聞いてくる。


「チャーハン」


「げ、またかよ~」


「しょうがないじゃん、めんどくさいし」


「おまえ、それでも女かよ」


放っておいてくれ!

てか、作ってあげるのに、何その態度?!


凪の両親、つまりあおいちゃんと海斗さんは出張、と言う名の旅に出てる。(因みに外国に行ってます♪ byあおい)

つまり、旅行兼仕事。

ラブラブな二人は離れることが嫌らしく、海斗さんの仕事場にあおいちゃんまでついて行ってしまった。

しかし、何故か頑なに外国へと行くことを拒否する凪。

凪はうちの横のアパートに住んでるんだけど・・・。

1人暮らしなんだよね~(凪には姉がいるが姉も彼氏と同棲中らしい)

お姉さんの名前は渚さん。

めっちゃくちゃ優しい。

もう、あたしの神様的存在で、いつも凪を代わりに叱ってくれる。

話がそれたけど、1人暮らしの凪がちゃんと生活を送れてるか心配な、“うち”の両親。(何故に?)

な・の・で!

こいつの世話役を任せられたのだ、我が母上に。


「毎日料理、お掃除、身の回りの事をしてあげるのよ!」


おい、奴隷か、あたしは。

そう叫びたい今日この頃。