「ちょっとくらい濡れてもどうってことねぇんだけどよ……俺のデリケートゾーンが耐えられるのかと思うとな」

「……ハゲになるぴょん?」

「そこはオブラートに包めえええ!」

ビシイイッと突っ込む鷹雅に、花音はほぇ~と小首を傾げ。

「じゃあ、傘、貸してあげるー」

と、五所川原を床に置いた。

「あ? 別にいいっての。お前が濡れちまうぞ。……ああ、羊に迎えに来てもらうのか」

「羊は飼ってないよー」

真剣な顔でそう答えながら、何やら五所川原をごそごそやっている花音。

「……何やってんだ?」

「ん、傘を……よいしょっと」

花音は水色の水玉模様の折り畳み傘を取り出した。

──五所川原の腹から。