夜の間、ずっと学園の見回りをしている小岩井。

疲れでも起こしてしまったのでは、と雪菜は小岩井の傍により、彼を見上げる。

「……いえ、なんでもありません」

ふい、と顔を逸らす小岩井の顔には、先ほどまではなかった疲労の色が見える。

「大丈夫ですか、小岩井さん。お布団敷きますから、お仕事に行くまで横になってください」

オロオロと小岩井の周りをウロウロする雪菜。

その気配を感じながら、小岩井は小さく溜息。

「大丈夫ですよ……ただ、貴女が」


──あまりにも、眩しくて。



その言葉は雪菜に伝えられることはなく。

雪菜はただ、首を傾げただけだった。