「まぁこれが三種最後の試合になるかもしれないから、楽しんでやれな」
先生は私の肩をぽんっと叩くと去っていった。
そんな先生の期待を裏切って、見事更に上の大会に出場決定!
…って言いたいとこだけど、やっぱり現実はそんなうまくいかなくて。
…でも、砲丸投げは自己ベストだったし、後日行われた「選抜」って呼ばれる別の県大会ではベスト8に入賞できた!
新しい事に挑戦した"三種"の大会は、
こうして終わりを告げた。
てくてくてく――…
県大会の帰り。
競技場から駅まで…30分くらいの道のりを、祐ちゃんと二人で歩く。
私達は、記録を用紙に写し取るのに時間がかかっちゃって、みんなより帰るのが遅くなった。
空はもうオレンジ色に姿を変えていて、
周りは人気がなくて静か。
道の両側には、川や木々。
住宅が少なくて、緑が多い。
「はぁ〜…疲れた〜!駅までが遠い…」
『ほんと…。
競技場から駅まで、バス出してほしいよね』