職員室の入口に立つ先生に、事情を話す。
『多分部室のカギ、顧問の先生の机の上に置いてあると思うんだけど…』
「宮田先生、見て来て!お願いします!」
『お願いします!』
先生は私と亜美が手を合わせるのを呆れたような表情で見ると、次に笑いながら言った。
「しょうがねぇなー。
じゃあちょっと待ってろ」
『やったっ♪ありがとうございま〜す!』
「さすが宮田先生!」
カギがあるか心配しながら待っていた私達の元に、先生は陸部が道具入れとして使っている箱を持って来てくれた。
「これか?」
『そう、それそれ!』
「よかった〜!あったんだ!
なかったらどうしようかと思った!」
『ありがとー先生!』
宮田先生にお礼を言って、カギを出そうとすると。
「返す時はどうするつもりなんだ?」
『えっ?
元通りに机の上にまた置きに…
って、私服で入っちゃダメなんだっけ…』