右京は焦り始めていた。



一階の立体魔方陣はそれらしい物は発見したが、肝心な“核”は見つけられ無かった。



…ホテル内じゃないのか?



だがP2でニックとシンディが色々と審議した結果、彼等は核はどう考えても「建物の何処かに必ずある」と断言したのだ。



右京は夕飯の席でグラスのワインを見つめたまま思考にあれこれ巡らせる。



考え過ぎてジッと見つめている忍に気付かないくらいに…。



やっと彼女の視線に気付くとフッと優しい笑みを浮かべた。



忍はため息をついて「もういいわ」と両手を上げた。



「右京。」



「ん?」



「私の事好き?」



「もちろん。…なに、どうしたの?」



「それはこっちの台詞!さぁ、何を焦ってるのか話して!」



忍には何でもお見通しらしい。



彼は観念したように小さく息を吐いた。