「なにしてんの、忍…。」



「退屈だからお散歩!…あ、潤君と一緒だよ。」



「はい、ワタクシがついてますのでご心配には及びません。」



…面白くない…。



忍と仲良く“散歩”を楽しむ悪魔を嫉妬心剥き出しで睨む。



「忍様?右京様は色々とやらなきゃいけない事があるようですし…ワタクシとお茶でもしましょうか。」



右京を逆撫でするような台詞は明らかにわざとだろう。



潤は忍の肩を抱いて右京の脇をすり抜けようとした。



「…待て、こら。」



「いたっ!…何するんですか…」



彼の綺麗に束ねられた黒髪を掴むと藍色の瞳がギロっと動いた。



「…お前、おちょくってんのか?」



「…間違った事は申し上げておりませんが?」



全くその通りで言い返せないのが余計に腹立たしい。