ポーン…という音と共に開いた扉の向こうにはキッチリとスーツを着こなした金髪の男性が居た。



彼の視線を感じながら、右京は無言でエレベーターに乗り込む。



『君…フランス人?』



『…いや?』



怪訝そうに彼を一瞥してすぐ背を向ける。



『…ねぇ…モデルとか興味ない?』



『ない。』



『…もし良かったら…話だけでも…』



…うぜーな…。



食い下がってくる金髪に右京は“話しかけるな”というオーラ丸出しで睨む。



一階に到着したエレベーターを降り、ロビーを見渡す。



このホテルは構造上、一階が吹き抜けになっている為、天井は遠い。



上を見上げた彼は、自分を呼ぶ声に視線を戻した。