『お前は以前、俺達には手出ししないと言ったよな?…二言はないか?』



『もちろん。そう命令されてる。…まぁ、助けろとも言われないけどね。』



『なるほど…。じゃあ、俺がアスタロトを返り討ちにしたとしても仕方がないよな?』



平然とそう言い放つ右京に一瞬目を丸くすると、アダムはゲラゲラと笑いだした。



『あ~失礼!面白いね…そういう強気なヤツは嫌いじゃないよ。フフフ…返り討ちとはな…さすがベルセルクだね。』



アダムはビールを煽ると『OK』と右京に目を向けた。



『いいだろう。俺はアスタロト様がお前に接触してきたのも知らない。…知らない所でお前が何をしようと勝手だ。』



右京はアダムの台詞にクッと口角を上げた。



『それを聞けて良かった。』



右京は手付かずのビールをテーブルに置くと『じゃあな』と扉に手を掛けた。