物音がしたような気がしてアダムはベットで身体を起こした。



入口の扉を少し開いて外の様子を伺う。



シーンと静まり返った廊下には誰も居なかった。



『…警備は何処行った?』



首筋に焼けるような感覚がしてピタリと動きを止める。



それが彼の指先だと気付くまで数秒を要した。



『警備は休憩中だ。』



長い銀髪の隙間からグリーンと深紅のオッドアイが煌めく。



『休憩?…完全に伸びてるよね、それ…』



彼の足元に寝ている警備員にチラッと視線を這わせてから彼を睨んだ。



『…気のせいだろ。』



おどける右京にやれやれと肩を竦めると、『入れよ』と部屋に招き入れた。