診察室の椅子に座っていたのは白髪頭の男性医師だった。



「おや、御主人で?」



「はい。宜しくお願いします。」



流暢な日本語で挨拶をして頭を下げた右京に一瞬面食らったようだが、彼は直ぐに柔らかい笑みを浮かべた。



第一印象は“優しそうなドクター”だ。



だが油断は禁物だと右京は思う。



…その仮面の下はただのエロ親父かもしれない…。



「では黒崎さん、ベットへどうぞ。」



「え?あ、はい…」



「…って右京がベット行ってどうすんのよ…」



「あ…忍か。」



そんなやり取りにドクターはクスクスと笑う。



「御主人面白いね~ベットに寝ようとした旦那さんは初めてだよ。」



そうだろうと忍も思う。



右京は頻りに頭を下げ、恥ずかしそうに彼女の枕元に腰を下ろした。