「忍って…ある意味ポジティブだよな…」



「なによ、馬鹿にしてるの!?」



「いやいや、褒めてるんだよ。なんか今ので大したことないんじゃないかと思えたし…。」



忍はふーんと何か言いたげに右京を睨んだが、それ以上何も言わなかった。



「そうだよな…もしかしたら忍に似るって可能性もある訳だし…」



なにやら一人で色々と妄想してるらしい彼女の旦那は急にご機嫌になると「楽しみだな!」なんて口走っている。



「右京って掴めないわよね~切り換えが早くて…。B型?」



「いや、ABのRH-だってベッカーが言ってた。珍しいらしいよ?」



…珍しいのは血液型だけじゃないだろうと突っ込みたい。



そんな矢先、「黒崎さん、どうぞ~」と看護婦に言われ、彼は元気よく「はいっ!」と返事をして自分より先に診察室へと入って行った。