「“核”を探してるんだ…」



「“核”?」



立体魔方陣の話をすると目を輝かせる彼女に右京は嫌な予感がした。



「面白そうね!」



「…いや、事の重大さ、判ってる?」



「ええ、もちろん!」



興奮気味の忍を見れば右京の予感が的中した事は一目瞭然だった。



判ってはいるが、好奇心が抑えられないのはジャーナリストの性か…。



…だから話したく無かったんだ…!



予想はしていたが、自分の危機にすら好奇の眼差しをする彼女は職業病だと右京は思う。



「魔方陣が立体って事は…一般的な魔方陣が複数必要よね?それの核なら…やっぱり一階にはないかも。」



「………おい…」



「昔どっかの文献で読んだ事あるんだけど、魔方陣って力の流れみたいなものがあるんですって!」



「………おい…!」



「立体魔方陣にもそれが共通するなら、やっぱりど真ん中に力は集まるんじゃないかしら。だって…」



「おい!…まさかお前も探すつもり?」



機関銃のように喋り続ける忍は「当たり前でしょ?」とシレッと言って退けた。