ピンポーン


何度か鳴っていたチャイムに反応できたのは、夕陽の落ちる頃だった。




「みくっ!!」



ルイが、泣いていた。


あたしはルイに抱きついて、声をあげて泣いた。





桜の舞う

美しい季節だった


あたしたちにはもう

戻せない



夕陽がルイの涙を

オレンジに染めた――