「ね、何か弾いてっ」 あたしはギターを指差した。 露骨にめんどくさそうな顔をした奏。 「じゃあ、歌え」 そう言って、ケースから使い込まれたギターを取り出した。 え……? 結局あたしの分かる曲なんて数えるほどしかなくって。 奏、沈黙。 ~♪ ~♪ ~♪ あ。 知ってる。