朝、私は呆然としていた。
 見れば外には小鳥がさえずり、木々のざわめきが聞こえる。
 朝日が窓から差し込んで私を照らす…ってあれ??

 ……ちょっと待って??
 うちの家ってこんなんだったっけ?
 いや違うよな…。ここどこ?
 おまけになんか苦しいし…。
 見れば可愛い女の子が私を抱き枕にしてる
 茶色のふわっとした髪、猫のパジャマ、長いまつげ、綺麗な肌―まるでお人形のようだと見とれて…る場合じゃなくて…誰!?でも…なんか見覚えがあるような…??

 輝「んぅ…誰…?…ぇ…ゆ…ら?…!?」

 女の子は飛び起きて慌てて自分の恰好を見ている…。別にパジャマが歪んでるくらいで変な所はないけどなぁ…。

 由「…ぁ…れ…??………あ。」

 …思い出した…。
 街で助けた女の子の家に転がり込んだのだった…。
 今考えればなんて無鉄砲な…。。。
 そういえば…お母さんに連絡してない…。
 やばっ…。

 輝「…由良、おはよ…。」

 由「おはよー…ふゎぁぁ…。お母さんに連絡しなきゃ…いけないや…。」

 輝「…あぁ…そっか。ん?なんか鳴ってない?」

 うちの携帯…お母さん!?
 携帯の画面を開くとメールだった。


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From:お母さん

由良?結局帰ってこなかったけど…またお友達の家に泊まったのね?悪いけど、昨日おばあちゃんが具合悪くなっちゃって…しばらく向こうに行ってくるから。家閉めちゃったから、しばらくお友達の家に泊めてもらいなさい。後で御礼に行くから。じゃ、また連絡するね。

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 ナニ…コレ…。。。
 私が絶句していると…

輝「…ぃ…ぉーい…おーーーいっっ!!!」

由「…うわぁっっ!!何何っ!??」

輝「…いや…どうかした?」

由「…ぁ…なんでもないっ!」

 さすがにこれ以上迷惑かけられないしね…とりあえず輝の家からは出よう。
 
由「さて…学校行きますか!泊めてくれてありがとね、輝!」

 <<ぐーーーーー………っ>>

 由「…………ぁ……。。。」

 …嘘だ…このタイミングでお腹鳴る?
 輝…肩震えてるし…笑いこらえ切れてないじゃん…。」

 輝「………っっっ…!!!
   …じゃ、じゃぁ食べ…っく…あはははははははっははっ!!」

 由「笑いすぎ!しゃぁないやろ!朝食食べてないんやから!!」

 輝「ゆ、由良…言葉が変になってる…っ!わかったから!わかったから食べよっ!!」

 
 そうして朝食を食べて感謝を告げ、学校へ向かったのだった。